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足とひとつになる理想のシューズづくりに向けて、春名を中心に結成されたプロジェクトチームはまず、シューズの履き心地に求められる条件を『足を入れたときに感じるフィット感』 『シューズを履いてプレーしたときのホールド感』
『自然な体重移動』
を満たすものと定義づけた。フィーリングという見えない要素を設計に落とし込むために、全スタッフが向かうべき方向を明確化するためだ。そして、
春名が真っ先に着手したのが、ラストの選定。ラストとはあらゆるシューズの原型となるもので、そのフォルムの善し悪しがシューズの履き心地に大きな
影響を及ぼす、といっても決して過言ではない。
「ラストについては野球に限らず、バスケットボールやランニングシューズなどのラストを競技種目を問わず収集し、春名さんと一緒にさまざまな角度から
検証を重ねました。それは、従来のベースボールシューズの既成概念に捉われず、まったく新しいミズノプロを生みだすんだという、私たちの決意の
表れでもあるんです。」
つぎに春名が手掛けたのが、それぞれのラスト形状にベストマッチする素材選び。足入れ感やフィット感を限界のレベルまで高めるため、世界中から
あらゆるタイプの革を取り寄せ、その一枚一枚を徹底的に吟味したという。また、アッパーパターンについては井上・田中が中心となり、見た目のデザインを優先するのではなく、ホールド感などの機能面を最重要視した設計を追求。最終的には長年にわたるプロ対応の経験で培った春名の目、匠としての
感性を活かし、選び抜かれたラストと素材の組みあわせによる数タイプの試作品を完成させた。
「その履き心地を実際に検証するため、トップアマチュア選手はもちろん、野球経験のある社員たちに声をかけ、みんなで野球をプレーし続けたんです。
普段は会社員の私たちが、真夏の炎天下に猛ダッシュですよ(笑)。本当にヘトヘトになりましたが、それでも全員が”いいシューズづくりのためなら”
と、時間を惜しまず協力してくれましてね。」
実際に人間がシューズを履いてプレーを重ね、感触や仕上がり具合を何度も何度も確かめる。そこから得られた数々の意見が、新たに改良すべきポイント
を見いだす貴重なヒントとなり、名匠・春名の手によってつぎのプロトタイプ製作へとフィードバックされていく。そのような気が遠くなるほどの試行錯誤
と試作品開発を繰り返すことで、ミズノが求めた履き心地を満たす、シューズ設計の糸口が見えてきた。 |
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