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CONTENTS Vol.11 Essence of Major Leaguer's Equipment2〜大リーガーが使用する用具の真髄〜

大リーグのキャンプ地を巡り、選手の注文に合わせて用具をサプライする「ミズノ・ワークショップ」
時は流れ、21世紀を迎えたが、一流大リーガーはミズノを選び続ける。
今季もタイトル獲得を期待できる顔がずらりと並ぶ。
ヤンキースを離れ、レンジャースで中心選手となったソリアーノは、走攻守三拍子揃った選手として、もともと期待が大きかったが、新天地でより大きな役割を担って、 更なる成長が期待できる。ひょっとして40本塁打、40盗塁という大記録の達成もありえる。
また、チームの主軸としてメジャー界に名を轟かせるアンダーソン、ヘルトンはキャンプの早い時点でバットから快音を響かせており、ふたりがそれぞれのリーグで本塁打王、打点王争いに絡んでくるのは間違いない。
投手ではスモルツが意気軒ミ。
「スモルツは剛球投手と思われがちですが、いいのはコントロール。あのコントロールを見習いたい」 と長谷川が言うほど。防御率1点台のクローザーは、各球団にとって脅威となる。


スモルツのチームメイトであるチッパー・ジョーンズはパワーのあるスイッチヒッター。世代交代が進んだブレーブスで、顔となる選手に成長した。
昨年はオールスター出場を逃した選手の中にも「大物」がいる。今シーズン特に大きな期待がかかっているのは、ミゲル・テハダ(アスレチックス↓オリオールズ)である。 '02年のMVP受賞者であるテハダは、昨年オフのFA選手の目玉であり、マリナーズなどが争奪戦に加わったが、結局はオリオールズに落ち着いた。 彼の感情を剥き出しにするアグレッシブなプレイスタイルが、ボルチモアのファンに新たな興奮を運んでくるに違いない。
そしてかつての野茂英雄の女房役でもあるマイク・ピアザ(メッツ)は、昨年は怪我に泣いたが、今年に再起をかける。
実はピアザにはこんなエピソードがある。坪田はピアザがミズノ製キャッチャーミットを使用していた当時、彼から特徴的なミットの注文を受けた。
「私が作った中で印象的なミットのひとつにピアザのナックルボール用のキャッチャーミットがあります。 日本ではナックルを投げる投手がいないので、作ったことがありませんでした。 捕手にとっても球がどこに飛んで来るか分からない球種なので、とにかく大きい。縦、横の寸法とも、今までにないくらい大きいものでした。 新しいグラブやミットを作る時は型紙から起こさなければならないので、その場ですぐにこしらえるというわけにはいきません。 夜、ホテルに帰ってから型を作って、革の裁断、縫製という手順を踏みます。その時は2日くらいでこしらえましたかね。 うれしかったのは、ミットを届けた後、実際に使ったピアザが、わざわざワークショップの車まで足を運んで、お礼を言いに来てくれたことでした」
選手の様々なニーズに応え、それによって選手との信頼がさらに深まっていく。ミズノは長年にわたって、メジャーリーガーをサポートし、信頼を得てきたのである。


そしてもちろん、現役の日本人メジャーリーガーもミズノの製品を愛用している。
野手ではカージナルスで外野での定位置争いを繰り広げている田口壮。 日本でプレーしていた時代、ゴールデングラブ賞を3年連続で獲得し、大リーグでも守備力に定評を得ているが、打撃面でブレイクすればレギュラーとしてカージナルスの 外野に名を連ねることになるだろう。
田口と同じくアメリカに渡って3年目のシーズンを迎えている石井一久(ドジャース)は、今季を次のように捉えている。 「これからのメジャーでの生活を考えた時に、2004年という年は、すごく重要な年になると思うんです。 去年はシーズン途中で故障者リストに入ったので、今年は一年を通じてチームに貢献したいですね」
オープン戦前半の登板は観る者を心配させる内容だったが、開幕が間近になるとやはり調子を上げてきた。3年目の余裕だろう。
その石井とヤクルト時代のチームメイトである高津臣吾は、今年シカゴ・ホワイトソックスのルーキーとなった。 キャンプインして間もなく、ワークショップの車がアリゾナ・ツーソンにやって来て、高津に新しいグラブを届けた。
「本当にイチからのスタートになるので、それなりに緊張もあるんですが、自分のスタイルを貫きたい。僕自身は環境の変化が苦手なので、早く慣れたいと思ってます。 ボール、ストライクゾーン、アメリカでの生活・・・。でも、毎日が発見の連続だと思うと、楽しみですね」
決め球のシンカーは、メジャーでも内野ゴロの山を築くに違いない。
そしてもうひとりは高津と大学時代、学生代表でチームメイトだった長谷川である。
実は長谷川は去年からグラブ、スパイクなどエキップメントの契約をミズノと結んだ。 昨年のアリゾナのキャンプでは、はじめて長谷川用に作られたオーダーメイドのグラブ、スパイクが届けられていた。 試してみた感触を担当者にフィードバックし、改良した上で開幕に向けてエキップメントは完成する。 この時もグラブを手にはめた時の感触で、グラブが手直しされていた(長谷川は違和感を覚えたが、それはミリ単位の違いだった。 もちろんそれは補正され、開幕に届けられた)。選手の足を守るスパイクは足型をもとにして作られ、限りなく選手の足の形にフィットしたものが提供される。 また、長谷川は指名打者制度が採られているアメリカン・リーグに所属しているため、普段はバットを持つ必要はないが、ナショナル・リーグのチームとの インターリーグでの試合では打席に立つ可能性がある。 そのため長谷川用のバットも作られたが、実際に公式戦で彼が打席に立つことはなかった。しかし、彼のバットはヒットを放っていたのである。
「マリナーズの選手が『シギー(長谷川のニックネーム)のバット、使わせてくれないか』と言って、打席に立ったんです。 それでヒットが出たので、それからはずっと使わせてくれと言われたり・・・」
8年目を迎えた長谷川は、キャンプでも余裕の表情で調整を進めていた。
昨年は大リーグ7年目にして初めてのオールスター出場、シーズン途中からはクローザーを務め、28回3分の2イニング連続無失点をマークするなど、 マリナーズ・ブルペンで大車輪の働きを見せた。キャンプではベテランらしく、具体的な数字の目標を語るよりも、マウンドで仕事をする投手としての心構えが大切です、と語った。
「どんな仕事を与えられても文句を言わず、前向きに取り組んでいこうと思ってます。それとマウンドに上ることを楽しむ。 今年作っていただいたグラブは作った方の熱意が感じられる仕上がりだったので、使うのがすごく楽しみです」
(Number599号から転載 文・生島淳)




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