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CONTENTS Vol.04 松井秀喜選手(NewYorkYankees)

松井秀喜選手を3名人が訪問
天気は快晴、絶好の野球日和です。いよいよ今日は、松井秀喜選手を3名人が訪問する日です。
今日行く場所は遠征先のフォートマイヤーズ。ジュピターよりは近いのですが、それでも2時間30分はかかる長旅です。 昨日のジュピターからタンパへ戻ってきたのが夜中の1時を回っていたので3名人の疲れが気になりましたが、 長旅の疲れを感じさせない表情を見て安心しました。
しかし、バット作りの名人・久保田五十一(60歳)だけは、今季から多少モデルチェンジした新型バットの出来がどうなのか、 その一点が気がかりであったことは事実です。
「私が良い素材を使って良いバットを作ったと言っても、選手が結果を出せなければ結局それは悪いバットなんです。 料理を作る方々とは違い、私にはバットの出来を味見することが出来ない。だから、結果を出すまでは毎年不安を感じるんですよ」
そう車中で話をしながら目的地、フォートマイヤーズにあるハモンドスタジアムに到着しました。 昨日のロジャーディーンスタジアムもそうでしたが、メインゲート前に大きな噴水を持つハモンドスタジアムも本当に綺麗な作りをした球場で、 まるでテーマパークに来たかのようなワクワク感を来場者に与えてくれます。
早速チケットを購入し、中に入ろうとしましたが、今日は昨日と異なり入場門でのチェックが非常に厳重なのには驚きました。 大きなバッグは勿論のこと、小さな手荷物まで全て入り口で検査され、隅々までチェックされます。 それをクリアすれば「Have a nice day!」と笑顔で送り出してくれるのですが、さすがに松井選手が所属するチームは人気選手が多いことを証明する出来事でした。



松井秀喜選手の今季用新型バット  ■松井選手バットの変遷
久保田は球場内に入るパスがあったので早速バッティング練習をしている松井選手の側で、自分が作った新バットの出来具合をじっくりと確認しました。 松井選手は、去年12月に岐阜県養老町にあるミズノテクニクス株式会社を訪問され、今季用の新型バットを製作しました。
今季のバットの大きな特長は、
■先端部(先端から約10cmまでの個所)を細くし、打芯部を太くすることで、スイートエリアを左右に約0.5cmずつ広げています。
■2002年モデルの長さに近づけるために、約半インチ短く(34インチ)しています。
■素材は、今シーズン途中から使用しているメープル材を使用します。
の3点です。今日までの松井選手のオープン戦での成績は、シングルヒット2本と本調子えはない状態で、久保田の不安は一層募るばかりでした。
来る時に「松井さん、今日打ってもらえんかな…」とつぶやいた言葉は久保田の心情を率直に表していたのかもしれません。

  右が久保田です。  


久保田にとって待望の瞬間
いよいよ試合が始まりました。昨日に引き続きもちろんスタンドは満員。オープン戦とは思えないほどの熱気に包まれています。
シーズン中と同様、試合開始前にアメリカ合衆国の国家斉唱が行われ、選手は勿論のこと、観客も皆立ち上がり胸に手を当て、国旗を見つめている姿は、まさに大リーグそのものでした。
松井選手の第一打席は2回表に訪れました。
しかし、2エンド2からセカンドゴロ。
そして、1対1で迎えた4回表。ランナー1人を置いて第二打席を迎えた松井選手は、2エンド2から強振!そして、放たれた打球は、青い空に吸い込まれるように右中間フェンスを越えていきました。
まさに久保田にとって待望の瞬間です。隣りに座っていた久保田を見ると、本当に憑き物が落ちたかのような晴れやかな表情で、ダイヤモンドをゆっくりと回る背番号55・松井選手を見つめていました。
第三打席はショートゴロ。
しかし、バッターボックスに入る前に敵チームを応援する観客からブーイングが一斉に巻き起こり、ようやくここが敵地であることを思い出させてくれる程、一際松井選手が輝いて見える試合でした。
「本当に幸運に恵まれ、松井選手の一発を見れたことは心底嬉しく思います。遠くまで来た甲斐がありましたし、ホッとしました」
試合終了後、多くの日本人マスコミに囲まれた久保田は飾らずにこう心情を吐露しました。
1992年から松井選手と二人三脚で作り上げてきた現在のバットは、図らずも久保田が訪問したその日に最高の結果を出してくれました。
明日はいよいよ松井選手の本拠地、タンパのレジェンズフィールドでナイターゲームが行われます。
きっと明日はもっと晴れやかな表情で久保田は松井選手をスタンドから見つめていると思います。
この続きはまた明日・・・



松井選手バットの変遷
  重量(g) 材質 全長(cm) A(mm) B(mm) C(mm) D(mm) E(mm) F(mm)
1993年 920〜930 アオダモ 86.5 - - - - - -
1994年 920〜930 アオダモ 87 55 - 24.2 64 210 49.5
1995年 940〜950 アオダモ 87.5 54 - 24 64 210 47
1996年 940〜950 アオダモ 87.5 53.4 - 24 64 210 46
1997年 940〜950 アオダモ 89 53.2 - 24 64 210 47.5
1998年 940〜950 アオダモ 89 52 - 23.5 63 210 46.5
1999年 940〜950 アオダモ 89 52 - 23.5 62 210 45.5
2000年 920〜930 アオダモ 87.5 48 - 23.5 63 210 45
2001年 920〜930 アオダモ 87.2 48 - 23.5 64 210 45
2002年 915 アオダモ 86.5 49 - 23.8 63.5 210 44
2003年 905〜915 ホワイトアッシュ・メープル 87.5 50 - 23.8 64.5 210 47.5
2004年 900〜910 メープル 86.5 50 - 23.5 66 210 46



(2003年12月12日)
松井選手が、2004年シーズンに使用するバット製作のためにミズノテクニクス株式会社を訪問されました。
到着後、すぐに久保田と打ち合わせを行い、その後、削り作業に入りました。松井選手は、一時もバット工房から離れることなく、久保田が操る刃先を食い入るように見つめていました。
松井選手コメント:「シーズンに向けて自信を持てるバットが完成し、大変嬉しいです。このバットで、2004年は2003年以上のバッティングが出来ると思っております」



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