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CONTENTS Vol.03 田口壮選手(St.Louis Cardinals)

ミズノが誇る3人の名人が集結
2004年3月8日、20時頃、アメリカ・フロリダ半島にミズノが誇る3人の名人が初めて集結しました。
グラブ作り名人・坪田信義(70歳)、バット作り名人・久保田五十一(60歳)、スパイク作り名人・春名明弘(47歳)の3人です。 この3人を中心としたミズノのスタッフは、本格的にオープン戦が始まった大リーグで活躍するミズノ契約選手を、全面的にバックアップするために集結しました。
このキャンプ地巡りの様子を野球愛好家の皆様に、ミズノボールパークでお伝えしていきます。

 
左:久保田(バット作り名人)
中:春名(スパイク作り名人)
右:坪田(グラブ作り名人)


田口選手のキャンプ地『ジュピター』へ
初日の今日は、大リーグ3年目を迎える田口壮選手のサポートを目的に、田口選手のキャンプ地、ジュピターへ向かいます。
田口選手の今日の予定は、午前中が練習、午後はオープン戦の予定だったので、なるべく試合前の早い時間に到着していろいろな話をしようと考え、我々は朝、6時30分に出発しました。
しかし、ジュピターはとにかく遠い!ミズノスタッフが滞在しているタンパから南東方向へ一路車をとばしたのですが、山が少ないフロリダ半島は同じような景色が延々と続き、いくら走行しても一向に到着する気配はありません。
全員、車の中でぐったりしながら10時を少し回った頃、ようやく今日の練習兼試合会場のロジャーディーンスタジアムに到着しました!
車で少々疲労感を感じた我々でしたが、車の外に出た瞬間そんな疲れも吹っ飛ぶような美しい景色が目に入ってきました。 赤茶けた門をくぐればそこには抜けるような青い空、白い雲、緑色の芝生があり、野球の本場アメリカに居るんだなあと実感させてくれます。 しかし、そんな感慨に浸っている間もなく3名人はすぐに練習場へ。
ここの練習場は日本では考えられないような12面もある大きな練習場で、田口選手を探すのも一苦労でしたが、居ました、居ました!
赤いユニフォームに袖を通した背番号99、田口選手が元気にグラウンドの中を走り回っています。
もちろんその時は我々の到着に気付くはずもないのですが、こちらを一瞬見た時、坪田信義がすかさず手を振り、田口選手も笑顔で手を振り返してくれました。
名人達の到着を心待ちにしていただいていたかのような明るい笑顔です。
しかし、練習はまだまだ続く様子で一体いつになったら田口選手と話が出来るのかと思っていた時、ふと気づけば周りには田口選手と同じユニフォームを着た熱烈なファンが熱心に練習に見入っています。
とにかくその目は真剣で、選手達の一挙手一投足も逃さない、という感じで、時折大きな歓声を挙げ、早くもベースボールを楽しんでいるように見えました。
一際大きな声を張り上げていたのはGary Grandeさん、63歳。
幼稚園の先生をしていたGaryさんは田口選手について、「去年の8月に大リーグに昇格した時のインパクトは強烈だった。彼には他の選手が持っていないスピードがあるし、ゲームにすぐアジャスト出来る高い能力も持っている。
とにかく大リーグのピッチャーに慣れれば、彼なら我々の期待を裏切ることはないよ」と興奮気味にまくし立ててくれました。 セントルイス生まれで物心ついた頃からこのチームのファンだ、と言うGaryさんは、今日もわざわざこのオープン戦を見るためにセントルイスから来たそうです。
そんな熱烈なファンの歓声を浴びながら、田口選手が練習を終えました。

  Gary Grandeさん


田口選手とミズノ野球用具
我々は選手達が昼食や着替えをするクラブハウスへ入るためのパスをもらい、田口選手の着替えを待ちました。
待つこと10分、真っ黒に日焼けした顔をほころばせながら田口選手が我々のところへ来てくれました。
そう時間もなかったのですが、持参したグラブやスパイクを手にした田口選手は嬉しそうに我々と話をしてくれました。
ちなみに田口選手のグラブは500g後半でとにかく深いポケットが特長です。 一度掴んだボールは絶対に逃がさないというこの形状は、柔らかい革を用いて作られたグラブで日本時代からほとんど変わっていません。 黒を基調に、ハミダシや刺繍、縫い糸は全てチームカラーの赤で坪田が製作しました。
「派手じゃありませんか?」と心配そうに訊ねる坪田に「全然問題ないですよ!」と元気に答えていただき、ようやく坪田の顔にも安堵感が漂いました。
このグラブはまだ新品なので今からならしていくわけですが、もしかしたら今シーズン中にも使用する可能性もありますので是非楽しみにしていてください。



僕と「m」マークのメイジャードリーム
グラブ、バット、スパイクについて田口選手とのつかの間の会話を楽しんだ我々は、13時から始まるオープン戦を観戦するためにスタンドへ足を運びましたが、平日の昼間だというのにその観客の多さには圧倒されます。
特に一塁側からバックネット裏にかけては田口選手らが着ているのと同じ真っ赤なユニフォームで埋め尽くされており、シーズン中と勘違いしてしまうくらいの熱気に包まれていました。
そして、「Cotton candy,here!!」と叫びながら物干し竿のような棒にたくさんの綿菓子を吊るした売り子達が元気にスタンド中を練り歩く中、いよいよ試合が始まりました。
それにしても大リーグはとにかく観客を楽しませる趣向に凝っています。例えば、ファウルボールがスタンドに飛び込めば『ヒュゥゥゥゥ、ガシャーン!』とガラスが割れる効果音を場内に流したり、パンフレットの売り子が延々とチームの歴史を大声で語り、それを観客は試合そっちのけで応酬するなど、常に笑いや歓声が絶えません。
また、良いプレーにはスタンディングオベーションを、悪いプレーにはブーイングを、と選手達を一生懸命盛り上げようとする光景は、本当に野球を愛している人達なんだ、と改めて実感させられるものでした。
残念ながらこの日の田口選手はヒットこそ出なかったものの、常に全力疾走でグラウンド中を走りまわり、一際大きな歓声を受けていたことは我々の疲れを癒してくれる一番の特効薬となりました。

10日は松井秀喜選手をサポートするため、一路フォートマイヤーズというまた遠い街へ向かいます。お楽しみに!



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