 |


| 「軟式バットで打球がよく飛ぶ高反発のものを」。そのようなプレーヤーからの要望は数多く聞かれたものの、ボールそのものが軟らかい軟式では、バットにぶつかった衝撃でボールが変形。結果的にバットの反発エネルギーが損なわれるため、これまで軟式モデルで高反発のバットをつくることは不可能であると考えられていました。 |

| ミズノのバット開発チームの中では、以前から「バットを軟らかくすればエネルギーロスも少なくなり、ボールもよく飛ぶのでは?」という冗談めいた会話も交わされていましたが、通常バットは硬いものという固定観念があるため、その試作品をつくってみようという声すら上がることもなかったのです。
ただスタッフのひとりは、とあるテレビ番組で風船と風船がぶつかり、その風船がお互いに勢いよく跳ね返るシーンを見て、直観的に感じたといいます。「軟らかいものを飛ばすには、やはり軟らかい素材が最適なのでは……」と。試しにウレタンスポンジを木製バットに巻きつけて反発実験を行ってみたところ、その反発力がアップすることも判明。「このアイディアを、なんとかモノにできないだろうか」。不可能といわれていたバットを生み出すために、ミズノの開発チームは動き始めました。 |
|
|
|
2000年10月末、ミズノ社内で''軟らかい軟式バット''の商品化に向けてのキックオフミーティングが開催されました。技術的にも不可能だという声や、完成したとしても製品に不良が発生するのでは、という消極的な意見が大半を占めましたが、ではどうすれば可能になるのか?
との前向きな姿勢で白熱した議論を展開。一致する意見は、とにかくバットの打球部に軟らかい素材を使ってみよう、ということでした。
軟らかい素材の選定は耐久性を考慮し、シューズなどに用いられる発泡ウレタンを基本に、数十種類の素材サンプルを準備。その中から最も反発特性と耐久性に優れた素材がセレクトされました。ただし、通常バットの製造というのは一体成型が基本ですが、この新型モデルは打球部形状を凹状とし、軟らかい素材を装着することが前提となっているため、通常の工程で製造することは不可能です。そこでミズノは、バットのパーツを2つに分けて成型し、その試作品の開発に着手しました。 |
|
 |
 |
| 数々の試作品開発により、バットの基本仕様はカタチになりましたが、つぎの問題は、軟らかいウレタン部分をどう成型するか、ということです。ウレタンは水を吸い、砂などによって、状態が悪くなってしまいます。それをカバーするために、透明のシートなどを被せることも考えましたが、通常の工程では成型が困難でした。成型方法等は企業秘密なので、詳しくはお話しできませんが、試行錯誤の末、製造面での課題も克服し、ついには
''軟らかくて飛ぶ軟式バット'' の最終試作品を完成させました。 |
|
|
| 最終試作品は開発スタッフが自らバッティングセンターに足を運び、数千打もの実打テストを繰り返し実施。その結果、バットの耐久強度面には何ら問題が認められず、また熱や水分・湿気による耐久テストもクリアしました。さらに、他のミズノ社員や一般の軟式野球チームによる実打テストも実施したところ、本当によく飛ぶとの高い評価が得られました。
数多くのプロセスと試行錯誤を重ね、そして誕生したビヨンドマックス。この世界初のバット構造は、軟式野球の常識を覆すほどの飛びの潜在能力を秘めているものと、ミズノは確信していました。 |
|
 |
|
 |